2017年7月、グラビアの中の少女が脱いだ。大手メジャーメーカーから大々的なデビューを飾った彼女は選ばれた女優であった。2021年、彼女は年内での引退を決意する。ファンへの神対応は相変わらず話題であったが、彼女自身、最終的に向けられる多くの想いへの戸惑いもあった。それは女優としての評価と恋心。ファンは右手で股間を押さえたまま、応援してますと左手を差し出してくる。「私の仕事ってなんなのだろう」少女は雨に濡れたネコのようにブルっと肩を震わせ、逡巡する。同時期、玉屋レーベルにある訪問者があったことから彼女の撮影が画策されていた。2021年4月、彼女が自撮り生活を始めると同時に玉屋レーベルによる密着取材が始まる。ニコやかな態度で始まったAV女優としての統括。終活。しかし、次第にキモメンインタビューアーとの間に軋轢が生まれてしまう。AV堕ち、盗撮、盗難提案とデリカシーがない言動の密着者に、彼女は椅子を蹴り飛ばすほどイラだった。そして、彼女を待ち受けていた予定にはなかった惨劇。口にキモ男達の尿を注がれ、避けてきたと公言してきた大嫌いな唾液責めプレイはあえて大量に流し込まれ、繰り返し行われた真正中出し、復讐動画でオナってこいと要求されたガチ自宅でのプライベート自慰まで、グラビアの少女がデブの性趣向を全て受けきった最終章。元女優の恋人とうそぶく山形の男、シリーズ至上最悪の残虐ファイトに徹した不可解なブタ男、ピルを飲まなかった彼女の思惑、三者三様の思惑はある一つの結末で交錯する。「拝啓、適正アダルトビデオ様。ガチっていったいなんですか?全部をひっくるめてAVファンタジーって言うのはちょっと雑じゃないですか?」byグラビアの少女。 |